賃貸でも「住宅改修」はできる(介護保険も使える)

意外に思われるかもしれませんが、賃貸住宅でも、大家(所有者)の承諾が得られれば住宅改修は可能です。手すりの取り付けや段差の解消などが、介護保険の住宅改修費(上限20万円・自己負担は所得に応じて1〜3割)の対象になることもあります。

ポイントは、自宅の所有者が本人でない場合、申請のときに「所有者(大家)の承諾書」が必要になることです。つまり、工事の前に大家・管理会社の了解を得ておくことが欠かせません。制度のくわしい中身は 介護保険の住宅改修費とは をご覧ください。

ただし「原状回復」は自己負担になる

賃貸でいちばん注意したいのが、退去・転居のときに、取り付けたものを元の状態に戻す「原状回復」の費用は、介護保険の対象外=全額自己負担になる点です。

たとえば壁にネジで固定した手すりは、外したあとに壁の補修が必要になることがあります。そのため、大家との相談では「つけたものを残してよいか/退去時に外す前提か」「原状回復はどこまで必要か」を、最初にはっきりさせておくと、あとでもめずにすみます。

まずは「工事をしない方法」から考える(賃貸に向いています)

賃貸は、大家の承諾や原状回復というハードルがある分、工事をしない「福祉用具」が特に向いています

  • 床に置く・天井と床で突っ張るタイプの手すり
  • 持ち運べる(置くだけの)スロープ
  • シャワーチェア、バスボードなどの入浴用具

こうした福祉用具(レンタル・購入)は、工事が要らない=原状回復の心配がなく、基本的に大家の承諾も不要です。賃貸では「まず用具で足りないか、それでも難しければ工事を検討する」という順番がおすすめです。用具と工事の使い分けは 福祉用具とリフォーム(住宅改修)の違い にまとめています。

大家さん・管理会社への相談のしかた

工事が必要そうなら、早めに、できれば書面で相談しましょう。伝えるとよいのは、次の点です。

  • 介護のための改修であること(安全のために必要なこと)
  • どんな工事を、どこに行いたいか
  • 退去時の原状回復をどうするか(残せるか/外す前提か)

話を切り出しにくいときは、ケアマネジャーや地域包括支援センターに間に入ってもらう方法もあります。介護目的だと分かれば、承諾してもらえるケースは少なくありません。

賃貸での進め方(まとめ)

  1. まず福祉用具で足りないかを考える(工事不要・原状回復の心配なし)
  2. 工事が必要なら、大家(所有者)の承諾を得る
  3. 介護保険を使うなら、工事の前に事前申請(承諾書も用意)
  4. 退去時の原状回復の範囲を、最初に大家と決めておく

賃貸だからとあきらめる必要はありません。順番を押さえれば、賃貸でも安全な住まいに整えられます。工事をお願いする場合は、賃貸の改修に慣れた会社かどうかも大切なので、失敗しない介護リフォーム業者の選び方 を参考に、複数社で相見積もりを取りましょう。全体の進め方は 介護リフォームの進め方 もどうぞ。

まとめ

  • 賃貸でも、大家の承諾があれば住宅改修はでき、介護保険(上限20万円)も使える
  • ただし退去時の原状回復は自己負担。残せるか・外す前提かを最初に大家と決める
  • 賃貸ではまず工事不要の福祉用具から考えるのが有効
  • 工事をするなら、承諾→事前申請→施工の順番を守り、複数社で相見積もりを

迷ったときは、一人で抱え込まず、大家・管理会社、そしてケアマネジャーや担当の専門職に相談しながら進めていきましょう。

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※この記事は一般的な情報をまとめたものです。お一人おひとりの体の状態や介護・医療的な判断は、主治医・ケアマネジャー・地域包括支援センター等にご相談ください。賃貸での可否・介護保険・原状回復などの扱いは契約や自治体で変わることがあるため、最新は大家・管理会社・お住まいの市区町村でご確認ください。