なぜ介護で「引き戸」がすすめられるのか
開き戸は、開けるときに自分が一歩下がる・体を後ろに引く必要があります。これは、バランスに不安がある方や、杖・歩行器・車いすを使う方にとっては、意外と難しく、転倒のきっかけにもなりやすい動作です。
一方、引き戸は横にスライドさせるだけなので、
- 立つ位置をほとんど変えずに開け閉めできる
- 開けたまま保持できる(手を離しても閉まらない)
- 開口(通り道)を広く取りやすい
といった利点があり、出入りも、介助も、ぐっと楽になります。ドアの開閉も立派な「動作」です。立ったまま・座ったまま・車いすで、その方がどう開けるかを見て決めるのがポイントです。
引き戸にするメリット
- 開閉が楽:体を引かずに、横にスライドするだけ
- 通り道を広く取れる:車いす・歩行器・荷物を持っての出入りがしやすい
- 開けっ放しにできる:介助のとき、荷物の出し入れのときに便利
- 風であおられて急に閉まらない:指はさみや衝突のリスクが減る
引き戸にするときの注意点
良いことばかりではありません。検討の前に、次の点を押さえておきましょう。
- 戸を引き込むスペースが必要:横にスライドさせる分、戸が収まる壁の幅が要ります。間取りによっては工夫が必要です。
- 気密性・防犯性は製品選びで:以前は「引き戸はすきま風・防犯が不安」と言われましたが、近年はバリアフリー対応で気密・防犯性の高い製品もあります。
- 下のレールの段差:レールがつまずきのもとにならないよう、フラットなバリアフリー仕様を選びます。
- 費用に幅がある:開き戸からの交換は、間口や壁の状況で費用が変わります。
「玄関の開き戸を全部引き戸に変える」だけでなく、アウトセット(壁の外側に戸をスライドさせる)方式など、間取りに合わせた方法もあります。何が向くかは現地を見て判断するのが確実です。
介護保険は使える?
介護保険の住宅改修には「扉の取替え」という項目があり、開き戸を引き戸や折れ戸などに取り替える工事は、対象になることがあります(上限20万円・自己負担は所得に応じて1〜3割/2026年6月確認時点)。ただし、要支援・要介護の認定と、工事の前の事前申請が必要です。制度のくわしい使い方は 介護保険の住宅改修費とは をご覧ください。
玄関は「ドア+段差+手すり」をセットで考える
玄関の出入りは、ドアの開け方だけでなく、上がり框(あがりかまち)の段差や、手すりの有無もあわせて見ると、より安全で使いやすくなります。段差解消や手すりの考え方は 玄関の段差解消 と 介護の手すりの位置と高さ にまとめています。
費用は間口や状況で幅があるので、複数社で相見積もりを取って比べましょう。会社選びは 失敗しない介護リフォーム業者の選び方、費用感は 介護リフォームの費用・相場はいくら? も参考にしてください。
まとめ
- 開き戸は「体を引いて開ける」動作が負担になりやすい。引き戸は立ち位置を変えず開閉でき、出入り・介助が楽
- メリットは、開閉の楽さ・通り道の広さ・開けっ放しにできること
- 注意点は、戸の引き込みスペース・気密/防犯・レール段差・費用の幅
- 「扉の取替え」は介護保険の対象になることがある(事前申請)。玄関は段差・手すりとセットで考える
ドアひとつでも、毎日の出入りのしやすさは大きく変わります。ご本人の動きを見て、必要なら専門家に相談しながら進めていきましょう。
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※この記事は一般的な情報をまとめたものです。お一人おひとりの体の状態や介護・医療的な判断は、主治医・ケアマネジャー・地域包括支援センター等にご相談ください。介護保険・補助金などの制度や金額は変わることがあるため、最新はお住まいの市区町村でご確認ください。
